Automation で Webhook を使って複数レコードを一括追加する方法

はじめに

AppSheet の Bot（Automation）で、別テーブルへ関連レコードをまとめて追加したい場面はよくあります。しかし標準ステップだけでは「リストの各要素ごとに繰り返し」が設定できず、一度にまとめて追加できないことも。その際は「Call a webhook」ステップから AppSheet API を呼び出し、自前で JSON ボディを組み立てる手法が有効です。

この記事では、IF 文でカンマを制御する古典的手法を使わずに、よりシンプルに複数行を追加するテンプレートをご紹介します。

前提条件

対象アプリ：App ID aaaabbbb-cc11-dd22-ee33-3f85b8f1d76e（例）
呼び出し先テーブル：生産計画工程テーブル
親テーブル：生産計画 テーブル（ループの起点）
関連子テーブル：生産工程順序マスタ テーブル
キー列：生産計画id（必須）

1. アプリ側の設定：ApplicationAccessKey の有効化

Manage > Integrations タブを開く
IN: from cloud services セクションで「Enable Inbound API」をオン
表示された ApplicationAccessKey をコピー

Bot 側の Webhook ヘッダーにこのキーを設定することで、同一アプリ内外から API 呼び出しが可能になります。

2. Bot の設定：Call a webhook ステップ追加

Automation → 該当 Bot → Process 編集 → + Step → Call a webhook を選択。

Preset：AppSheet API
HTTP Verb：POST
HTTP Content Type：application/json
Custom headers に ApplicationAccessKey: <コピーしたキー> を設定

3. JSON ボディ：Start/End + Separator で簡潔ループ

{
  "Action": "Add",
  "Properties": {
    "Locale":   "ja-JP",
    "Timezone": "Asia/Tokyo"
  },
  "Rows": [
    <<Start: [_THISROW].[生産工程id].[Related 生産工程順序マスタs]>>
    {
      "生産計画id":      "<<[_THISROW].[生産計画id]>>",
      "工程Id":          "<<[工程id]>>",
      "設備Id":          "<<[設備id]>>",
      "工順":            "<<[工程順序]>>",
      "生産完了予定日":  "<<[_THISROW].[生産完了予定日]>>"
    }
    <<End>>
  ]
}

<<Start: …>>～<<End>> で関連レコードをループ
各オブジェクト内に必須キー列（生産計画id）を含める